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第2話
そばを上手に食べる作法 「ズルズル」
2004.12.22

そばを食べるのが下手だ。
そばはおいしいし、歯ざわりや味覚、どれをとっても素晴らしい。だが、上手に食べられない。何が下手か。
ズルズルだ。

そばを上手に食べる人は吸い上げるのがうまい。ところが私の場合、無駄に力が入っているようで、吸い上げるのが下手だ。スムーズに麺が上がってこない。勢いをつけるといろいろ飛び散る。
こういうことがさりげなくうまい人間はかっこいいのだが、私には程遠い。あまり関係ないが、私は鼻をかむのも下手だ。鼻水がたくさんあるような時でも、あまり出てこない。勢いをつけると、耳がキーンになる。

さて、このかっこいいズルズルだが、練習してうまくなるものなのだろうか。どこでどういう練習をすればいいのかもよくわからないのだが。それよりも、私自身がどうしてもこの「ズルズル」に抵抗感がある。あまり耳障りがいいように思えないのだ。

何というのか、あまりに本能的過ぎるような音に思える。もっと静かに出来ないものなのかなどと思ってしまう。そんなことを考えていると、「練習」もしなくてもいいようにも思えてくるのだ。

ところでよく聞く話であるが、西洋の人はやはり「ズルズル」という音が好きではないようだ。スパゲティなども静かに口へ運ぶ。スープも静かに飲む。カップヌードルも音が出にくいように麺が短いなどの配慮がしてある。彼らがなぜそんなに「ズルズル」を嫌うのかは謎だが、もしかすると私の練習嫌いの理由に近いのかもしれない。

日曜日の午後、テレビを見ていると、よく芸能人が海外で遊んでいる。そしてよく食べている。パスタを口にする場面も多いのだが、「ズルズル」と食べる人が多い。日頃食べ物についてあれこれ言っている自称グルメの芸能人も結構「ズルズル」している。おい、それはそばではないぞ。音を立てるな。おまけにそういう人は食後のコーヒーもすすってしまう。ズルズルと。

そばの音で慣れてしまった我々は「ズルズル」に関して無頓着になりやすいのかもしれない。しかし、それを不快に思う人が多いのだから、きちんとやりたいものだ。そういうことがきちんと出来ている人は意外とそばの時の「ズルズル」もきれいにできる。使い分けができているのだ。

そういう使い分けこそ、かっこいい。
私も練習しようと思う。