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第5話
珍味とは何か
2005.05.17
芸能人の中には、個性派とか演技派と呼ばれる人たちがいる。考えてみると、芸能人たるものみんな個性派であり、演技派であるはずだ。
では、どういう人がそれに相当するかといえば、たいていの場合は三枚目、ブサイクと思われるグループで、美男美女にはあまり使われないものだ。
演技派と呼ばれて喜ぶ人はいるのだろうか。
しかし、今日もまたテレビでは無頓着にこの言葉が使われている。
そういうことを考えていると、「珍味」という言葉を思い出す。珍味とはおいしいのかまずいのか。本当においしいものであれば、 「珍 」ではないように思う。
一方まずいものであれば、これもまた「珍」とは違う表現をされる。おいしいのか、はっきりしよう。そこで芸能人の話をあてはめてみる。珍味とは個性派、演技派なのだ。
つまり珍味と言われるものは「味が珍しい」わけではなく、見かけが珍しいものをさしている。三枚目であったり、ブサイクであったりするものだ。
「こんなものを食べるか」と言いたくなるようなものは珍味となっていく。
三枚目やブサイクはよく「味がある」と言われる。珍味なのだが。
では、見かけのいい食べ物とは何か。これは一言で言えばかわいいものだ。例えば、子供のお菓子はたいていかわいく仕上げてある。子供は珍味が好きではないことになっている(本当は子供も自分なりの珍味を持っているが、公言しない。私は子供のころ、根昆布が大好きだった)。
誰もが好きな食べ物は、どこか丸みがあったり、やわらかそうであったり、あたたかみがあったりする。
私は一番かわいい食べ物はパンだと思う。可愛い要素がたくさんある。そして、パンが嫌いな人は少なく、一般的なパンを珍味とは言わない。
さて、珍味に関わるオノマトピアだ。
これが難しい。音で表現しやすいものは珍味になりにくい。表現しにくい複雑な気持になるから、珍味なのだ。
mmだ。
mmとしか表現できない感じ。
ンでもムでもいいような気がするがちょっと違う。
あえてカタカナでかけば、フムだろうか。
「この昆虫結構いけるよ」
「えっ、これ食べるのか」
「だまされたと思って食べてみろ」
「うん」
「な」
「うん?うん、うん、うん、・・・mmmmm」もう声にはならないmが続く。
徐々に認めるうまみ。初心者には厳しいけれど、上級者になりたい気持がわいてくる。
すばらしい珍味。
世の中、珍味があるから、人気食材もある。
三枚目あっての二枚目。
そして人間はまた新たな珍味を探すのだ。
あ、mmってオノマトピアか?
たしかに辞書には載っていないだろうが、オノマトピアなんてそんなものだ。
mm。見かけも悪いな。
まさに珍味なオノマトピアだ。
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