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第2話
「Thanks Giving には家族が集まる。その日のテーブルの主役は七面鳥だ」
第2回目の食べたくなる映画は、今の季節にぴったり、「エイプリルの七面鳥」です。
エイプリルはファッションから生き方まで自由奔放な女性。アメリカ的中流家庭の常識をもつ母親に反発し家を飛び出し、今はニューヨークで黒人のボーイフレンドと同棲中です。ある日、母親が深刻な病気であることを知り、何年も会っていない家族を感謝祭のディナーに招待しようと決心します。料理はもちろん七面鳥。さて準備万端、あとは家族を迎えるだけと思っていたのですが、ほとんど料理をしたことのないエイプリルに思いもかけぬ展開が待ち受けていました。
“心を打つ映画”「ギルバート・グレイプ」(主演はジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオの出世作)の脚本を書いたピーター・ヘッジスが脚本を書き、初めて監督しました。厳しい現実が数多く出てきますが、登場人物の魅力とユーモアが心をあたためてくれます。母親役を演じたパトリシア・クラークソンはアカデミー賞、ゴールデングローブ賞はじめ数多くの映画賞において、助演女優賞にノミーネートされました。
この映画のキーアイテムが七面鳥。感謝祭にはなくてはならない、アメリカ人にとっての特別料理です。エイプリルの作るこの七面鳥の丸焼きが、周囲の人たちとの出会いを生み出していきます。
ニューヨークのローワー・イーストサイドのボロアパートに暮らす人たちは多種多様。人種や言語もバラバラなら、主義主張も想像を超えています。ピーター・ヘッジスが描き出すのは心優しい人ばかりではありません(エイプリル自身さえも)。ひとつ頼み事をするにも、ちょっと会話をするのも、実はこんなに大変なことなんだとも気づかされます。だからこそ、自分の日常生活に感謝し、見るものに深い共感を生んでいるのでしょう。
Bunkamuraル・シネマで上映されている映画ですが、けっしてゴージャスでおしゃれな雰囲気ではありません。でも、おいしい、おいしくないだけでははかることの出来ない、料理が持つ「みんなを幸せにする」という不思議な力を、改めて深く感じました。家族、母親との関係に悩む女性には是非見て欲しい映画です。
eatpia.com の案内人 東條 太郎さんに「七面鳥料理」についてもう少し説明してもらいました。
特大のステーキにハンバーガー、ホットドッグにコーラ・・・・アメリカの食文化に伝統や歴史といった言葉は、正直あまり似合いません。七面鳥は、そんなアメリカの数少ない伝統料理。Thanks Givingには、何と90%以上のアメリカ人が七面鳥を食べると言われており、その数なんと約4,500万羽。全米各地から家族が集まり、教会では炊き出しが行われます。
作品の中で、エイプリルは七面鳥をいったんくり抜いた後にセロリ、タマネギを詰めてローストしていますが、七面鳥の料理方法は色々とあるようです。eatpia.comでもご紹介している六本木「ROTI」のシェフ イアンさんにお伺いしたところ、「オニオン、セロリ、そしてコーンブレッドを詰めるのが一般的。さらにソーセージやベーコン、地域によっては、オイスターやハラピーニョ・ペッパーなどを加えます。また最近は、七面鳥と中の詰め物を別々に準備する家庭もあります。」ということでした。
料理をするのは、基本的には女性の役割。家族の女性陣総出で、ワイワイと料理を行います。そしてローストが終了した七面鳥を取り分けるのは、男性の役割。テーブルを囲んだ家族一同が感謝の祈りをささげた後に、家長がおもむろに立ち上がり、スマートかつ威厳を持って七面鳥を取り分ける・・・・というのがアメリカのThanks Giving Dinnerの正式な式次第です。
余談ですが、Thanks Givingの期間は、Officeや学校も当然お休み。eatpiaのあるスタッフの経験によると、留学生にとって、この休みは勉強の遅れを取り戻す良いチャンス。また、新学期(9月)からスタートしたカップルにとっては、この休みが最初の試練の時となるとか。
さて、日本人にはまだあまり馴染みのない七面鳥 & Thanks Givingですが、イアンさんによると「昨年のThanks Givingには、興味を持ってお越しになる日本人の方が、結構いらっしゃいましたよ。」とのこと。また七面鳥は、実は鶏肉中で最もコレステロールが少なくしかも高たんぱくローカロリーで、今の食生活にぴったりの食材です。
ROTIでは、今年もThanks Giving 当日、オーセンティックな七面鳥がメニューに並ぶそうです。この映画を見て、「ちょっと食べてみたいかも」と思った方は、仲間と出掛けてみてはいかがですか。
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