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第4話
「魂のワンスプーン」に出演して

2005.02.17

こんにちは。料理人植木です。

皆様、いかがお過ごしですか。今回は、昨年末から今年にかけて「魂のワンスプーン」というTV番組に出演させてもらった際の話。

この番組、毎回3人のシェフが出演。番組のタイトル通り「ワンスプーン」の上に料理を表現し、それを5人の審査員がジャッジし、勝者を1人決めるという形式だ。昔懐かしい「料理の鉄人」を思わせるが、ワンスプーンというアプローチが面白いと思う。
* この番組、及び僕の出演については、eatpiaのニュースでもアナウンスして頂いた。なので、ご存知の方も多いと思うが、念の為。

料理は本来、勝った、負けたという類のものではない。食べる時にどんな気持ちか、誰と食べるのか、どんなおしゃべりをするか、お店のサービス、お酒との相性・・・・・・色々な要素が混ざり合って、総合的に「食事をした時間が楽しかったかどうか」が、大切だと思う。

でも一定のルールの下、著名なシェフばかりの中で、「どうせなら、頑張るぞ。」と思ったのは事実。結果として、僕は、運よく3回勝ち抜き、4回目で敗退。ただ、3回勝ち抜きということで、番組内の「殿堂入り」をすることが出来た。「ワンスプーン」という特殊な世界での勝負。謙遜でも何でもなく「自分の料理が、たまたま一番印象に残ったのかな」というのが正直なところだが、この結果はやっぱりうれしい。そして、ワンスプーンの内容を色々と考え、それを形にすることは、料理人としてすごくエキサイティングだった。

様々な料理番組があるが、「一体、どこまで実際に作っているの?本当は、テレビに映っている時間以外に、色々と仕込んでいるのでは?」と思っている方も多いと思う。僕は初めてのTV出演で、他の番組については分からない。ただ、少なくとも今回は、本当の下ごしらえ以外は、文字通り全てがガチンコ勝負。その為、勝負の度に素材の業者の方や、店のスタッフには色々と無理をお願いした。この場を借りて、心から感謝!!

素材の組み合わせや味付けなど、自分で色々と考えただけでなく、他のシェフのワンスプーンにすごく刺激を受けたりと、色々と勉強になったことが今回の大きな収穫だ。だが、料理のこと以上に1つ心に残ったことがある。それは、「必要以上に気負ったり、変な色気や欲があると、結局ダメ。」ということ。言い訳に聞こえるかもしれないが、4回目で敗退した時にはそれまでの純粋に「やってやろう。」という気持ち以外に、自分の中に「4連勝は、今まで誰もいない。ここで勝ったら凄いぞ。」という欲があった。僕の好きな野球に例えると、たとえばイチローや松井のような超一流の選手は、きっとどんな時でも余計なことを考えないだろう。

彼らと自分を比較するのはおこがましいし、いきなり超一流を目指すのは無理。でも、毎日の厨房でも、この「余計なことを考えない。」という心を忘れずに、頑張ろうと思う。それでは、また。



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