第10話
僕の最近の「交遊」について(2)
2005.12.7
こんにちは。料理人植木です。
だいぶ秋も深まり、実りの季節到来!料理人植木の血が騒ぐぜっていう感じになってきました。皆様、お元気ですか?
前回、僕の最近の「交遊」の中で、特に印象深い2人の話とそれを通じて自分が感じたこと、考えていることを書いたけど、今回はその第二弾。
1人目は、徹底した実力主義で知られるレストランビジネス界のキングメーカー。以前には、彼の下でお世話になっていたこともある。今回、僕のほうからお願いをして久しぶりに会うことになったのだが、普段あまり緊張することのない僕が、珍しく会う前からちょっと緊張していた。
ランチを食べながらの約1時間だったが、実際に会っている間、やはり彼の放つオーラは物凄かった。そして、発する言葉1つ1つが非常にストイック。言葉がストイックというと?かもしれないが、要は非常に理路整然として的を得ているということ。聞き方によっては、やや冷徹と感じられるほどだ。
例えば、「欲を持って、常に上を見ろ。」、「より困難な道を選べ」、「打たれても打たれても、しっかりと数字を出せるスタッフを作れ。」・・・・・・全ては、ビジネスを大きく展開していく上で非常に大事なこと。オーナー=経営者 という立場で、自分の鉢巻を巻きなおした。
もう1人は、古い友人でもあるイタリア人のシェフ。十数年前に南青山にあった伝説のリストランテの総料理長で、その後フィリピンにわたって5店舗を経営している。彼のレストラン経営の哲学は、「ビジネスだから、数字はもちろん大事。でも、それよりも個々のスタッフをリスペクトし、時には励まして彼らを発展させていくことのほうが重要。」ということだ。
ちなみに、現在彼はまた日本に戻ってきてフードビジネスに携わっているのだが、レストランは経営していない。彼曰く、「自分は、料理が本当に好き。だから、(自分では)レストランはやらない。」ちょっと禅問答のようだが、要は料理が本当に好きな分、ビジネスには徹しきれない、だから自分ではもうやらない ということ。先程書いた、彼の哲学と合わせて考えてみると、面白い。
それぞれの立場、環境、そして何を目指すかによって、それぞれの哲学が異なるのは当たり前。僕は、どちらもおっしゃる通りだと思うし、それぞれレストランビジネスを天職として道を切り開いてきた人達だけあって、さすがだなと感じさせられる。
2回にわたって「交遊」について書いてきたけど、大事なことは色々な人の話を聞いた上で結局自分がどんな指針、信念を持つのかということ。それにつきる気がする。
僕が考えるのは、やはりまずは料理のこと。世界中でレストランJだけでしか食べられない料理を作る。そして、それを楽しんでもらうサービスと空間を提供する。それは、1人では出来ない。だから、サービス、キッチン共に、スタッフを育て、そして僕も彼らからどんどん刺激を受ける。
そんな思いを持って、諸先輩方を見習いながら、また一歩一歩進んで行くぞ!! と、今回は最後まで気合こめました。それでは、また。
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